ダービーマッチの重み


今日、生まれて初めてダービーマッチの重みを実感した。


よく海外サッカーオタクが自分の応援チームを「ウチ」と言ったり、自分の応援チームがダービーマッチでライバルチームに負けたらやたらへこんでみたりしてるが




今日の試合を観てそういうのは違うような気がした。




俺は両チーム、両地域にゆかりがある。


九州の中では都会にあたる福岡県人は、田舎の佐賀県人を馬鹿にする傾向がある。そして福岡県人は「俺は都会人だぜ」というプライドがあるし、佐賀の人間は「福岡とかどがんでんよか」という田舎魂を持っている。


両チームのサポーター同士ももともと仲は悪い。この二チームが試合前にエール交換なんてする事はないだろう。


サガン博多の森アビスパに勝った事がなく、前回の対戦ではホームで屈辱的な大敗。




そして福岡生まれの福岡大学出身のサガンGK赤星。


前回の対戦で5点を奪われ、それ以降サポーターの信頼も失ってた。今回も親族や友人が見守ってるであろう博多の森で、自らのミスでリードを許す展開。その心中はいかばかりだったろうか。


その赤星が後半のアビスパの猛攻を耐え凌ぐ。感動的な姿だった。




試合後、泣き崩れた赤星。


優勝したかのように歓喜するサガンサポーターと監督・選手達。


そして世界の終わりでも来たかのような表情のアビサポ。博多の森をブーイングが包む。




俺は自分が住んでもいない町の、傭兵が入り混じる海外クラブチームにはここまで感情移入できない。


素直にそう思った。




素晴らしい試合だった。