永遠の貴公子

長髪をなびかせて・・・

フェルナンド・レドンドが引退を表明したようだ。結局ミラン退団後、魅力的な移籍先が見つからなかったようだ。ちょっと前のバッジョ引退よりもある意味で残念な引退である。ある意味ってのは彼のプレーが近年は殆ど観られなかった事、また彼のプレーがVTRやDVDなどで観れる可能性も少ないであろうことからだ。ジダンバッジョクラスならば、引退したあかつきには(現実にはそうなる前にも)必ずDVDのプレー集が発売されるだろうけど、レドンドはそこまでの扱いを受けないだろうからね・・・。


かといってレドンドバッジョ・ジズーに劣るプレイヤーかと言えば、そんなことはない。テクニックに優れ頑丈な体を持ち、司令塔と呼ぶにふさわしい絶妙なパスでチームを操り、巧みなドリブルや豪快なヘッドでゴールまで奪える。おまけに端正な容姿とくれば言う事はない。こんな選手は過去にも未来にも出て来ないんじゃないだろうか?


彼を初めて観たのはマドリー時代。左足一本でチームを操る彼の美しさに一目惚れした。かと思えば恵まれた体躯を生かして豪快にボールを奪取するし、時にはシメオネばりのダーティなプレーも厭わない。その容姿からは想像も出来ない、非常に南米臭い選手でもあった。


個性的な選手であったがゆえ、そしてなにより長髪であったがゆえに代表から外される時期が続いた。彼を代表であまり観れなかったのは非常に残念だ。そしてミラン移籍・・・。


それから彼のプレーを何年待ちわびただろうか。まさかそのまま引退してしまうなんて思いもしなかった。出来る事ならもっともっと彼のエレガントなプレーを観たかった。彼のプレーを観た事がある人なら、きっと同じ思いなのではないだろうか。




冒頭にも書いたが、バッジョ・ジズーと並び称されるほどの選手ではない。だが忘れるにはあまりにも惜しい選手だった。永遠の貴公子フェルナンド・レドンド、ひとまずはお疲れ様。そしてありがとう。